安田、鵜飼、中村の3人は既に対外試合でホームランを放つなど、そのパワーを如何なく発揮。池田は17日の巨人戦で3安打、19日の日本ハム戦で2安打を放ち、末包も19日の巨人戦で4番として2安打をマークした。特に広島の中村、末包の2人は鈴木誠也が抜けただけに今後もチャンスを与えられる可能性は高く、レギュラー争いに加わることも十分に考えられるだろう。

 ルーキー以外の若手も高橋宏斗中日)、根本悠楓(ロッテ)、小林樹斗(広島)、小峯新陸(楽天)、中山礼都(巨人)、秋広優人(巨人)、細川凌平(日本ハム)など高校卒の若手も成長ぶりを見せている。特に急成長ぶりが目立つのが育成ドラフトで入団して3年目の小峯だ。高校時代は140キロ程度のスピードだったものの、練習試合では早くも150キロ以上のスピードを連発。長身の割にバランスも良く、ボールの角度も申し分ない。チームは高校卒の若手投手が少ないだけに、順調にいけば早い段階での支配下登録も狙えそうだ。

 そして高校卒3年目での大ブレイクを予感させるのがやはり佐々木朗希(ロッテ)だ。今年初の対外試合となった19日の日本ハム戦ではプロ入り後最速となる163キロをマーク。少しシュートするボールはあったものの、コントロールも大きく崩れることなく、1球だけ投じたスライダーも鋭く変化していた。1年間コンディションを維持することができれば、一気にタイトル争いに加わることも期待できるだろう。

 一方で気になる故障者の情報も入ってきている。最下位からの巻き返しを狙うDeNAは中軸の佐野恵太が右腹斜筋の肉離れ、エースの今永昇太が左前腕の炎症で一軍から離脱。ソフトバンクもローテーション入りを狙う武田翔太、スチュワート・ジュニアがリハビリ組となっている。開幕までにまだ1カ月以上あるものの、両チームともここ数年は主力に故障者が多く出ているだけに、少し気になるところだ。

 最後に新たな補強だが、15日に巨人がメジャー通算46勝を誇るシューメーカーの獲得を発表した。近年は成績を落としているものの、2014年には16勝4敗という成績を残している実力者だけに、コンディションさえ万全なら大きな戦力となることも期待できるだろう。

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NPB復帰を目指す“元ドラ1”右腕は?