1年目のキャンプから存在感を示している中日・鵜飼航丞(左)と広島・黒原拓未
1年目のキャンプから存在感を示している中日・鵜飼航丞(左)と広島・黒原拓未

 北京冬季オリンピックが2月20日に閉幕した。オリンピックの開催期間中はどうしても各種メディアにおけるプロ野球の扱いは小さくなるが、今週23日からはオープン戦も始まり、いよいよ本格的な球春到来という時期に差し掛かっている。今回はそんな北京オリンピックの裏で起こっていた球界の動きを振り返りながら、シーズン開幕に向けての注目ポイントを探ってみたいと思う。

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 キャンプ序盤で大きな注目を集めるのはやはり新戦力となるが、コロナ禍によって外国人選手の来日は昨年に続き今年も遅れが生じており、またオフの移籍市場も静かだったこともあってここまでの話題はルーキーたちに集中している印象を受ける。これまでの期間で存在感を示している選手となると投手では隅田知一郎(西武1位)、黒原拓未(広島1位)、山田龍聖(巨人2位)、桐敷拓馬(阪神3位)の4人のサウスポーの名前が挙がる。

 黒原と山田は19日に行われた練習試合に登板。黒原は1イニングを三者連続三振と完璧な対外試合デビューを果たし、山田も2回を投げて2安打は許したものの無失点と上々のピッチングを見せた。ともにストレートの勢いは申し分なく、ストライクをとるのに困らないだけの制球力を見せている。特に黒原は左のリリーフとして早くから一軍の戦力となる可能性は高そうだ。

 昨年のドラフトでは4球団競合と人気が集まった隅田も17日の紅白戦に登板。2回を投げて無失点、3奪三振と素晴らしいスタートを切っている。特に打者の手元で鋭く変化するチェンジアップは必殺のボールとなりそうだ。また阪神に3位入団の桐敷も15日のシート打撃で打者5人を相手にノーヒットピッチングを披露。矢野燿大監督もその投球を評価するコメントを出しており、開幕一軍の期待もかかる。

 野手では安田悠馬(楽天2位)、鵜飼航丞(中日2位)、池田来翔(ロッテ2位)、中村健人(広島3位)、末包昇大(広島6位)など強打者タイプの選手が目立っている。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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