一方のセ・リーグではBクラスに低迷しているヤクルト、広島、中日の三球団が来季へ向けての切り替えが必要となっている。ヤクルトは村上宗隆の成長ぶりは大きなプラス要因だが、山田哲人のFA問題もあるため、その前後を打つ選手を引き上げる必要がある。ここへ来て2年目の中山翔太が一軍で結果を残し始めてきただけに、スタメン起用を増やしたい。

 また内野手では宮本丈、外野手では浜田太貴なども積極的に起用していきたいところだ。最大の弱点である投手陣も再編成が必要だろう。ルーキーの吉田大喜を積極的に先発に起用しているところは評価したいが、まだまだコマ不足が続いている。リリーフで起用されている長谷川宙輝、寺島成輝を再び先発でテストすることなども検討したい。

 広島はリリーフ陣の崩壊が現在の低迷を招いている。その兆候は昨年から出ていただけに、完全に後手に回ったという印象は否めない。現在は塹江敦哉がセットアッパーとなり、フランスアも徐々に調子を取り戻しているが、やはりまだまだ戦力は不足している。島内颯太郎、ケムナ誠も経験を積んできているが、二軍で好投を続けている高校卒2年目の田中法彦や育成入団3年目の藤井黎來などもどんどんテストしていくべきだろう。

 先発陣も気になる点は多い。K.ジョンソンが力を落としており、エースの大瀬良大地も調子が上がってこない状況だが、ルーキーの森下暢仁にかかる負担が大きくなっているのだ。これまで10試合の先発で5試合が120球を超えており、ここへ来て中5日の先発起用もされている。実力は既に一軍でも上位であることは証明できただけに、森下に関しては来年以降を考えて無理使いは避けてもらいたいところだ。

 中日は7年連続Bクラスに沈んでいるだけにまずはAクラス入りしたいという気持ちも分かるが、セ・リーグは今年クライマックスシリーズもないだけに、優勝が難しいとなればやはり若手をもっと抜擢すべきだろう。候補はやはり石川昂弥、根尾昂の高校卒ドラフト1位二人である。

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中日は未来の正捕手育成が重要?