次に、息子さんに担任の先生の印象を聞いて下さい。いじめに対して実質的に対応できる人なのか。ただの保身だけを考える人なのか。生徒の人物評は、わりと的を射ていることが多いです。

 担任がダメな人なら、ハチローさんがいじめを告発したと簡単に生徒に知らせてしまうでしょう。校長がダメでも同じです。

 まず、「学校はどれぐらい誠実にいじめに対応するか」を知ることが重要です。「I君がいじめられている」という匿名の電話で動いてくれる学校なのか、いじめ問題を担当するスクールカウンセラーがいるのか、いなくてもいじめ問題を担当する教師はいるのか、その人とちゃんと話せるのか。

 つらいことですが、I君の親御さんに会うことも必要になるでしょう。一緒になって、いじめをとめるために闘うのです。

 I君のLINEを見せてもらうように頼みましょう。息子さんは、母親にLINEの文章を見つかって以来、いじめの文章を送信しては削除している可能性があります。「送信取消」ではなく、「削除」の場合は、息子さんのスマホには消した痕跡は残りませんが、I君のスマホには残ります。悲しいことですが、それは「いじめの証拠」になります。

 奥さんが言うように、本当にX君が中心人物かどうかも確認しないといけません。

 学校側と交渉するのは、LINEの文章以外にも、さまざまな証拠を集めた後です。クラスメイトの証言やI君のメモなんかも重要な証拠です。

 学校側がのらりくらりと逃げるようなら、第三者に早急に入ってもらいます。弁護士やカウンセラー、教育委員会の知り合いでもいいです。とにかく、教師と親の密室関係にしないことです。

 ね、ハチローさん。大変なことでしょう。でも、すべては息子さんの魂のためです。

 もし、息子さんとの関係があまりうまくいってなくて(思春期では、それは珍しいことではありません。ハチローさん自身や息子さんを責める必要はないです)、どんないじめをしていて、どう思っているのか、うまく聞けない場合は、まずは、息子さんとの関係を築くことが必要だと思います。

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真剣にアプローチすればやがて…