作家・演出家の鴻上尚史氏が、あなたのお悩みにおこたえします! 夫婦、家族、職場、学校、恋愛、友人、親戚、社会人サークル、孤独……。皆さまのお悩みをぜひ、ご投稿ください(https://publications.asahi.com/kokami/)。採用された方には、本連載にて鴻上尚史氏が心底真剣に、そしてポジティブにおこたえします(撮影/写真部・小山幸佑)
作家・演出家の鴻上尚史氏が、あなたのお悩みにおこたえします! 夫婦、家族、職場、学校、恋愛、友人、親戚、社会人サークル、孤独……。皆さまのお悩みをぜひ、ご投稿ください(https://publications.asahi.com/kokami/)。採用された方には、本連載にて鴻上尚史氏が心底真剣に、そしてポジティブにおこたえします(撮影/写真部・小山幸佑)
この記事の写真をすべて見る
写真は本文とは関係ありません(※イメージ写真/iStock)
写真は本文とは関係ありません(※イメージ写真/iStock)

 鴻上尚史人生相談。「息子がいじめる側にいる」ことがLINEで判明したという45歳の父親。妻は「スルーしよう」と言うが、対処法がわからないと悩む相談者に鴻上尚史がおくる魂の回答。

【相談54】息子がいじめる側にいたことがわかりました(45歳 男性 ハチロー)

 鴻上さんの連載、いつも楽しみに読み、人生の指針にしています。

 最近私にも深刻な悩みができてしまいました。中2の息子がクラスで、どうもいじめる側にいるらしいということがわかったのです。

 妻が息子のLINEを見て、発覚しました(うちでは、携帯の中身をオープンにすることを条件に持たせています)。同じクラスのI君をグループでバカにしてパシリのような存在にさせていじめているようなのです。

 妻によると、中心メンバーのX君がI君をいじめだし、よく一緒にいるグループ5、6人が同調する雰囲気になり、みんなでいじめているという構図のようです。妻は見つけたときに息子を一度注意したということですが、改善された様子ではないようで、私に相談してきました。だったら今度は俺の出番だろうと思い、息子にいじめをやめさせるよう、話し合うよと妻に言うと「息子にいじめの説教するの? 余計な正義感うえつけないで。I君をかばってうちの息子がいじめられる側になったらどうするの? 中学校時代の教室の空気を思い出してよ。ひどいことにならないようにLINEは私がちゃんとチェックするから。中学校もあと1年ちょっとでしょ、もうちょっとスルーしようよ」と反対されました。妻は、なにか息子にとって問題にならなければそれでいい、という考えのようでした。

 私はやはりそのまま放っておくわけにもいかないと思い、なんとかいじめをやめさせたいのですが、やみくもに「I君へのいじめをやめておまえがかばえ」と言うだけでは、たしかに息子を追いつめるだけだとも思います。同時に学校に相談することも考えていますが、「息子がチクった」ことになると、これも妻が反対しています。

我が子が過ったことをしているのに見過ごす親でいたくありませんし、結局息子の人生のためにもならないと思っています。鴻上さんが、私の立場ならどう対処しますか?

どうか、ぜひ教えてほしいです。

著者プロフィールを見る
鴻上尚史

鴻上尚史

鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)/作家・演出家。1958年、愛媛県生まれ。早稲田大学卒。在学中に劇団「第三舞台」を旗揚げ。94年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞受賞、2010年「グローブ・ジャングル」で読売文学賞戯曲賞。現在は、「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心に脚本、演出を手掛ける。近著に『「空気」を読んでも従わない~生き苦しさからラクになる 』(岩波ジュニア新書)、『ドン・キホーテ走る』(論創社)、また本連載を書籍にした『鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』がある。Twitter(@KOKAMIShoji)も随時更新中

鴻上尚史の記事一覧はこちら
次のページ
鴻上尚史さんの答えは…