こうしたリスクを利用者が見極めるには、たとえば現地見学をしたとき、働く職員の様子をしっかり観察したい。明らかに疲れが見える、利用者への口調がきつい、やるべきことに追われてバタバタと動き回るような様子が見られる場合は要注意。現地の担当者に、職員の研修や勤務状況などについても質問してみたい。
■まとめ
認知症の人は、職員の慌ただしい動きだけで不穏になることもある。利用者が不穏になれば、職員のストレスもさらにたまるという悪循環も。職員同士の人間関係が悪いと、疎外された職員の感情のはけ口が(弱い立場の)高齢者に向かうことも。職員間のやりとりの様子にも注意を。
解説/田中 元(介護福祉ジャーナリスト)
出版社勤務を経てフリーに。介護保険制度以前から、高齢者の医療・介護にかかる現場取材を通じ、専門誌への寄稿や講演などをおこなっている。主な著書に『安心で納得できる老後の住まい・施設の選び方』(自由国民社)、『介護リーダーの問題解決マップ』(ぱる出版)など
※週刊朝日ムック「高齢者ホーム 2018 プロに教わるやすらぎの選びかた」から
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