「立教大は学部同士のつながりがあり、風通しがよかったから可能でした。学部の独立性が強ければ難しいでしょう」
和田さんは「立教大は日本で初めて、オープンキャンパスを行い、全学部統一入試も東日本で初めて導入した。改革は得意です」と胸をはる。
志願者数では明暗を分けた今年の入試改革。受験生を送り出す側の高校はどう見ているのか。浅野中・高の小林教諭はこう指摘する。
「早稲田大の政経学部や青山学院大が導入した独自問題は、思考型、教科横断型の学力を問う問題として意義深いと思うが、他学部や他大学に広がるかどうかは未知数。新傾向か従来型かという二項対立ではなく、従来の日本の教育を生かしつつ、思考型、教科横断型の学力も追求する姿勢が必要ではないでしょうか。この入試改革が、改めて日本の教育を考え直すきっかけになることを期待したい」
入試改革が突きつけたものは、これからの教育のあり方だとも言える。(教育ライター・柿崎明子)
※AERA 2021年4月5日号