アサギマダラ(小諸市、撮影:海野和男)
アサギマダラ(小諸市、撮影:海野和男)
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 写真家・海野和男さんの作品展「蝶・舞 2019-2021」が10月28日から東京・新宿のオリンパスギャラリー東京で開催される。海野さんに聞いた。

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 海野さんいわく、「チョウは人を見ているのと変わらないぐらい面白い」そうで、「何をやっているか、見ればすぐに分かる。行動も予測できる」。

 というのも、「チョウは人間と同じ、視覚動物だから」と、説明する。

「目で見て、相手や場所を判断している。だから、仲間がいれば安心して、同じチョウや似たチョウが集まってくる」

 その逆で、最初に飛んできたチョウはためらって、なかなかとまらないという。

「店内に誰もいないレストランとか、入りにくいですよね。おいしくないんじゃないか、と思ったりして。そういうところも人間とまったく同じ」

 仲間がたくさん集まると気が大きくなり、行動が大胆になるのも人間と似ているそう。

「だから、撮るときは、なるべくたくさんいるときをねらうんです。そのなかでも特に大胆なやつをねらえば、近づいても逃げない。そんなチョウの気持ちを考えながら撮るのが醍醐味(だいごみ)。単に、きれいなチョウの写真が撮れた、というだけじゃ、つまらない」

アカエリトリバネアゲハ(マレーシア、撮影:海野和男)
アカエリトリバネアゲハ(マレーシア、撮影:海野和男)

■バタフライガーデンとの出合い

 今回の展示作品は、2019年から今年にかけて撮影したチョウの最新作。

「ぼくは基本的に海外がフィールドで、この間に10回海外に行ったんですよ。ペルー、西パプア(インドネシア)、タイ、ソロモン諸島とか。ところが新型コロナで、去年の3月、逃げるようにマレーシアから帰ってきた。それ以降、小諸(長野県)にこもって写している。今回の日本の作品は全部、うちのチョウがやって来る庭で撮影したものです」

 海野さんのアトリエの庭は、イギリス由来のナチュラルガーデン。もともとあった自然を生かしながら、チョウが蜜を吸う花や幼虫のエサとなる食草を植えている。「つまり、そこにチョウを呼び寄せて撮っている」。

 世界で初めて、この「バタフライガーデン」を提唱したのはノミの研究家としても知られるイギリス人のミリアム・ロスチャイルドさん。

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最初は仕事が忙しくて頓挫