術後、お見舞いにいったとき(提供)
術後、お見舞いにいったとき(提供)

 ようやく手術の決心をして9月25日、手術を受けました。退院は3日後でした。

 退院してからは下痢と便秘を繰り返しました。お尻が汚れるとそこをふわちゃんが舐めるのですが、そうすると肛門がただれてきてしまって、エリザベスカラーとおむつをしてという状態が続きました。ふわちゃん本人は、便意をもよおすと、おむつをしたままトイレにいくので、そのタイミングで私がおむつを外し、お尻を洗ったのですが、このケアは家で仕事をしてなければ無理だなと、あらためて感じたものです。

 下痢が落ちついてからは、「かりんとう」のような便が、ぽろっと床やベッドに落ちることがありました。でもそれすら愛おしく思えました。

食事や薬が綴られたノート(提供)
食事や薬が綴られたノート(提供)

 手術前に4キロあった体重は術後に3・5キロに。食欲増進剤を飲ませ、食べられそうな食事を探しました。“品評会”ができるのではないかというくらい買って。わがままになりましたね(笑)。でも好きなフードで3・8キロまで戻ったんです。

◆一緒にいられる時間はあと少し

 手術以降はふわちゃんに負担がかかる医療ではなく、症状の緩和のための処方を受ける範囲で通院をしました。

 お昼寝して、キャットタワーでニャルソックして、私とおしゃべりして、ゆっくり家で過ごしてもらえれば……と思って。

 そうして、12月9日、家に来て一周年を迎えました。

 その日を誕生日にして、13歳のお祝いをしました。お手製の赤い首輪を作り、朝から何度もおめでとうと言ってしまいました。

 でも、一緒にいられる時間は、あと少しでした。

 誕生日の数日後、お腹が膨れているのがわかったんです。ついに来たか、と。直腸がんの症例を自分で調べたとき、最期は腹膜播種を起こして腹水がたまって亡くなる例が書かれていたのを私は覚えていました。

 12月17日に、病院にいったときには、先生に「なんとか元気に年越しができそうだね」と言われたのですが、私は正直長くないと覚悟をしました。

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甘えた目で私を見てゆっくり瞬きして