陸上選手だった飯島は盗塁のスタートに苦しんだが、五十幡はそのようなことはなく、ルーキーイヤーの昨年も27試合に出場して9盗塁を決め、失敗は1つだけと高い成功率を誇っている。

 課題となるのは体力面と出塁率の向上だ。昨年はキャンプ中に太ももの肉離れで出遅れ、今年も腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けて長期離脱となっている。爆発的なスピードがある分、体への負担も大きいため、まずは1年間怪我なくプレーできる状態にする必要がありそうだ。また、通算1065盗塁を誇る福本豊(元阪急)も話しているように、出塁しなければ盗塁することもできない。昨年は二軍では4割を超える出塁率を誇っていたが、一軍では打率.225、出塁率.244と高いレベルの投手に対しては苦しんでいた。速いストレートに対しては強さがあるだけに、変化球への対応力を向上させる必要があるだろう。繰り返しになるがとにかくスピードに関しては圧倒的なものがあるだけに、これらの課題をクリアして1年間1番で出場し続ければ、福本の持つ年間106盗塁という大記録を超えることも決して非現実的なことではないはずだ。

 もう一人、まだアマチュアだがホームランについて期待したいのがやはり佐々木麟太郎(花巻東)だ。初の甲子園となった3月の選抜高校野球ではオフに受けた両肩の手術で調整が遅れていた影響もあって不発に終わったが、その後も順調に打ち続けて5月7日の時点で高校通算本塁打数は64本に達している。史上最多は清宮幸太郎(早稲田実→日本ハム)の111本だが、それをはるかに上回るペースであり、大きな怪我さえなければ新記録達成の可能性は高い。

 清宮がプロで苦しみ、佐々木も選抜で抑え込まれたことを懸念する声も多いが、注目される中でこれだけの数字を残せるというのはやはりただ者ではない。ゴールデンウイーク中に行った練習試合ではレフトへ打った瞬間に分かる一発も叩き込んでおり、ホームランにできる打球方向が広いというのも大きな魅力だ。

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打者の“佐々木”も異次元な選手に?