撮影:チャーリィ古庄
撮影:チャーリィ古庄

■ヘリから旅客機を撮ることも

 空撮の際にはいまも自ら操縦かんを握る。

 この4月行ったのは、「飛行機の墓場」といわれるカリフォルニア州の砂漠にあるモハベ空港。役目を終えて廃棄され、部品を取るための飛行機がたくさん置かれている小さな空港である。

「ロサンゼルスからセスナ機を飛ばして行ったんですが、撮影するときは操縦できない。もう1人横にセーフティーパイロットを乗せているんですけれど、窓を開けて、バンと操縦かんを切って、『この角度で飛んで』と言って、操縦かんを渡します」

 一方、空港会社の仕事で空港を上空から撮影するときはヘリコプターを使うことが多いという。その際のフライトプランも自分で作成する。

「飛行コースや高度を書き込んだ計画書をつくります。飛んだ際も管制官とパイロットが言っていることを100%理解できるから、話が早いんです。パイロットから『どうするって』って聞かれたときにOKとか、100フィート下とか、すぐに返せる」

撮影:チャーリィ古庄
撮影:チャーリィ古庄

 飛行中の旅客機をヘリコプターから撮影することもある。見せてくれた写真には東京・新宿の超高層ビルを背景に飛ぶJAL機が写っている。

「南風のとき、羽田空港に着陸する旅客機は新宿付近を通過するんですが、正確な飛行コースは分からない。だから、ヘリで旋回しながら北の空を見て、飛んでくる機体を探すんです。で、『あっ、いた。行こう』って感じで撮影します」

 ヘリコプターと旅客機、超高層ビル群が一直線上に並ぶのは一瞬である。撮影はかなり難しそうだ。

「そうなんですよ。だから、自分で操縦したほうがうまくいくっていう感じはありますね」

 コロナ禍で仕事が少なくなった機会を利用してヘリコプターの操縦ライセンスも取得した。転んでもただは起きぬ人である。すでにヘリコプターも所有しているという。

アサヒカメラ・米倉昭仁)

【MEMO】チャーリィ古庄写真展「Clear for Take Off 光明の中、曉闇をついて赴くままに」
キヤノンギャラリー S(東京・品川) 6月18日~8月8日

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