日本に数多くあるラーメン店の中でも、屈指の名店と呼ばれる店がある。そんな名店と、名店店主が愛する一杯を紹介する本連載。「けいすけ」グループを率いるラーメン界の革命児が愛する一杯は、札幌味噌ラーメンの名店「すみれ」の味を独自に進化させた浅草橋の人気店の一杯だった。
【浅草橋にある人気店「福籠」の美味しそうな札幌味噌ラーメンはこちら!」
■一部のお金持ちの評価より、たくさんの人に味わってもらいたい
業界の革命児と呼ばれる店主・竹田敬介さんが経営するラーメン店「けいすけ」。竹田さんが繰り出す新しく挑戦的なラーメンは、多くのラーメンファンをうならせている。
2005年に東京・本郷に「黒味噌ラーメン 初代けいすけ」をオープンして以来、あふれるアイデアで数々の新ブランドを立ち上げては成功させてきた。東京・千葉に6店舗を展開するほか、ここ数年は海外にもシフトしてチャレンジを続けている。10年のシンガポール出店を皮切りに、オーストラリア、フィリピンの3カ国で「けいすけ」のラーメンを拡大。シンガポールでは20店舗以上を展開している。
「海外進出の際には食材の問題がよく話題に出ますが、食材は現地にあるものをうまく使えばおいしいものができます。日本とは違う文化だからこそ、新たなアイデアがいろいろ試せるんです。イスラム圏でも豚骨ラーメンがはやるなど、自分が想像していたものとは全く違う展開になってきています」(竹田さん)
フレンチや和食の世界から、ラーメン業界に転身した竹田さん。参入障壁の低さがきっかけではあったが、ラーメン店を始めてその大きな魅力に気づいたという。
「ラーメンは誰でも食べられる大衆食です。その中で勝負する楽しさというのは、フレンチとは全く別のもの。一部のお金持ちから評価されるのではなく、たくさんの人に味わっていただけるのがラーメンの大きな魅力ですね」(竹田さん)
ラーメンはどんぶりの中でおいしさのすべてを完結させなくてはならない。 “一汁三菜”をどんぶり一つの中で表現できるラーメンは、料理人にとっては制約があるからこそ楽しいのだという。ラーメンの作り方には決めごとがないので、無限の可能性を秘めているのだ。その「自由」と「制約」のアンバランス感が「ラーメンの一番の魅力」だと竹田さんは言う。
そんな竹田さんの愛する一杯は、浅草橋にある人気の札幌味噌ラーメンだ。老舗の味を継承しながら独自の道を進む名店である。