玄米だけでは重く、胚芽米のみでは物足りない。自分で好きなように精米できればいいのにと思っていたが、卓上精米機が売られるようになったので、それで好きな分搗き米にして食べていた。私には五分搗きがベストだった。その中に、押し麦、はと麦、稗、もちあわ、アマランサスなどの雑穀を入れて、土鍋で炊いている。この土鍋は料理屋さんで使っていたものを、知り合いが取り寄せてくれたもので、火加減を一度決めたら、炊いている間は調整がいらず、1.5合分が15分で炊ける。その後の蒸らし時間をいれても、30分くらいで食べられる。その後、五分搗き米が販売されているのを知って卓上精米機は処分し、玄米ではなくすでに精米されたこちらを買うようになった。そしてそれはずっと今でも続いている。

 おかずも手間をかけるのが嫌いなので、手の込んだものは一切、作らない。ハンバーグも今までに作ったのは2回くらい。天ぷらものっけから大失敗したし油の始末も大変なので、家で作るのはやめた。他で手抜きをしているので、だしだけはちゃんととろうと、鰹節削り器を買い、最初の頃は毎朝かいていたが、面倒くさくなって、削り節、昆布、煮干し、野菜だしパックを使うようになった。ただし上質のものを選んで買うようにしている。私の料理の方針として、最少の労力で最大の効果がテーマなので、なるべく様々な食材が食べられるようにとは考えている。

 私がひとり暮らしをはじめてすぐ、勤めていた会社の元同僚が遊びに来た。彼女も他の会社に勤め、実家に住んでいたが、ひとり暮らしを考えているときで、どんな生活か見たいといっていた。昼にふだん、私が食べているような、御飯と味噌汁、箸休めの某料亭の椎茸の煮物、私が漬けた浅漬けを出すと、

「何、これ」

 と馬鹿にされた。まず箸休めの椎茸の煮物を気持ちが悪いといわれ、味噌汁にキャベツを入れるなんて信じられないといわれた。彼女は料理が好きで三笠会館でフランス料理を習っていて、そのたびに、

「先週はこれを習ってきた」

 と耳慣れないフランス語の料理名を話していた。日々の食事をおろそかにしたくないので、昼食はタクシーを飛ばしてレストランのランチを食べにいく。最近のお気に入りのランチは、キッシュだといっていた。

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