前田さんは「卵子凍結の道のり」と題してYouTubeに約10分間の動画を公開している。採卵周期に入る時の診察から、採卵手術が終わった後、手術着に素顔の状態で、麻酔が切れて目を覚まし、痛みのあまり呻(うめ)き声を上げる姿までも晒(さら)しながら、必死で自分の体験を伝えている。「これを公開する勇気は、すごいな」と思った。

 前田さんは前パートナーと事実婚だった時に「受精卵凍結」を経験している。これは卵子凍結とは違い、精子と卵子を授精させ、細胞分裂して子宮に移植できる状態になったものを凍結保存するもので、主に不妊治療で使われる方法である。

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パートナーとの別れ