
「いつかは子どもを」と考えつつも、日々の生活や仕事に追われているうちに、“出産適齢期”の上限とされる35歳を過ぎてしまう。万人に共通するベストな「産み時」なんてないけれど、タイムリミットも存在する。そんな悩みを解決すべく生まれたのが、「卵子凍結」という医療技術である。
週刊朝日の元記者、松岡かすみさんの著書『-196℃の願い 卵子凍結を選んだ女性たち』の中では、年齢も育ちもキャリアも違う8人の女性が登場する。第5回は、前田智子さん(38歳・モデル・タレント)の声を再構成して紹介する。
* * *
モデル、タレントとして活動する前田智子さん(38)。高校卒業後、ニューヨークの大学に進学し、卒業後はダンサーや振付師として活躍。表現の世界で活動を続けてきた。プライベートでは、3年前に、事実婚関係にあった相手とパートナー関係を解消。その1年後、36歳で卵子凍結をした。