「野生動物の密猟」がテーマのジオラマを作る子どもたち

ほとんどの授業は「教科横断型」

 また、3年生のクラスでは、子どもたちが段ボール箱の中に画用紙を敷いたり、切り抜いた絵を貼りつけたりしていた。図工の授業かと思いきや、一心不乱に画用紙にのりを塗っていた女子児童によると、「いろんなダメなことをしている人を作ってる」とのこと。

 どうやら、世界で起きている環境問題をテーマにジオラマを作っているようだ。「これはoverfishing、魚の釣りすぎ」「これは人間がプラスチックを1回しか使わないで捨ててるとこ」“Someone is killing animals like tigers, for their fur(毛皮をとるためにトラなどの動物を殺す人もいるんだよ)”などと、口々に教えてくれる子どもたち。教室の壁には、環境問題について事前に調べてまとめたポスターが、ずらりと掲示されていた。

 同校では、一体どのようなカリキュラムで授業が進められているのか。小学部の授業コーディネーターを務めるチン・カレンさんは、こう説明する。

「日本の従来の教育は、科目ごとの知識を身につけることを重視します。一方、アオバの教育がもっとも大切にしているのは、知識の応用。英語の読み書きや算数の基礎知識を学ぶ授業もありますが、ほとんどの授業は『探究』と呼ばれる教科横断型の授業です。“How we express ourselves(意志表現)”“Sharing the planet(共存共生)”といった6つのテーマに沿って、さまざまな知識やスキルを総動員して課題に取り組みます」

 カリキュラムは、日本のインター校ではメジャーな「国際バカロレア(IB)」という世界共通の教育プログラムにのっとっている。なかでも同校が特に力を入れているのが、グループワークだという。

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