総選挙後には「石破おろし」が始まる?

 このような野田代表の下にある立憲に、反自民の追い風が強まれば、一気に政権交代まで行かなくても、自民の議席大幅減となる可能性は十分にある。日本維新の会や国民民主党の出方によっては、政権交代が実現する可能性も皆無とは言えない。

  しかし、それは本当に日本にとって望ましいことなのかというと極めて疑問である。

 なぜなら、自民が政権から転落すれば、選挙後に「高市新総裁」になる可能性が高く、その場合、「野田首相の立憲」と「野党第1党の自民」とがともに右翼的政党になる。両者が共鳴しあって、とんでもない戦争内閣になっていくリスクは高い。とりわけ、立憲が政権を取る場合、維新と国民の協力が必要だから、両党の右翼的性格もあって、さらに右翼化は加速する。

 また、自公過半数割れになっても、自公が維新と国民を取り込んで超右翼政権を作ってしまう可能性は十分にある。野田立憲が野党第一党になるので、これもまた恐怖の右翼政治に突入するだろう。

 与党過半数割れまでは行かない場合でも、自民の議席減少は避けられず、それを受けて、自民内では、石破おろしの動きが強まる。遅くとも来年夏の参院選前までには石破おろしになり、「高市首相」の下で来夏の参院選となる可能性が高い。その場合も、高市自民と野田立憲、維新、国民が共同で右翼戦争政策が推し進められることになる。

 高市氏が首相や自民総裁にならないようにするためには、立憲が選挙でほどほどの躍進にとどまり、結果として石破氏の首相の座を守ることが必要だが、石破首相でこれまでの自民党政治よりはマシになるとしても、直近の石破氏の言動を見ていると限界がありそうで、結局は自民党政治は変わらないのではないか。もう石破氏を完全に見限るべきではないのか。

 そう思っていたら、6日になって、裏金議員の公認問題について、比例重複立候補は認めずなどという予想よりも厳しい方針が示された。やはり、石破氏は信頼できるのかもしれない……。

 以上が立憲支持層の中で、かなり有力な人々の間の悩みである。

 ある友人と話しているうちに、高市氏が自民総裁になるのを止めたのは良かったが、野田氏が立憲代表になるのを止めなかったのが致命傷だという話になった。

 そうであれば、野田代表を交代させれば良いのではという話も出たが、総選挙で野田氏が落選でもしない限りそれは起こらない。選挙区情勢を見ると、現状では野田氏が優勢なようだ。

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失敗が悔やまれる立憲代表選