「高市首相」になったときの歯止め

 そんな話をしていると、7日に新しいニュースが入ってきた。野田氏の選挙区でれいわ新選組が首都圏反原発連合の生みの親であるミサオ・レッドウルフ氏を公認候補として立てるというのだ。野田氏に勝てる可能性は現時点では低いが、選挙は何が起きるかわからない。仮に、れいわと共産が協力できれば、野田批判票を集めてかなり健闘するかもしれない。

 ここに限らず、立憲をまともな政党に戻らせるために、野田代表と現執行部の問題議員だけ落選させて、その他の立憲、共産、れいわなどの平和勢力を伸ばすことができれば、仮に「高市首相」になった時の歯止めになるかもしれない。

 その上で、来夏の参院選で、まともな野党による参院過半数を実現して衆参のねじれ状況になれば、戦争に進むことを止めるさらなる「抑止力」になる。

……というような頭の体操が延々と続くのだが、野田新代表が就任したことによって、本当の意味での望ましい政権交代を実現するには、次の次の衆院選でということになってしまったということのようだ。今回の立憲代表選の失敗がかえすがえすも悔やまれる。

著者プロフィールを見る
古賀茂明

古賀茂明

古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。近著は『分断と凋落の日本』(日刊現代)など

古賀茂明の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
「更年期退職」が社会問題に。快適に過ごすためのフェムテックグッズ