伊藤:なるほど。

佐藤:中世のペストの話に関しては、私はの話から入ります。中世は猫にとっては受難の時代だった。「猫目」といって目の色がいろいろ変わるし、身のこなしが軽いから悪魔の手先だということで、猫は大変ひどい目に遭って虐待されていた。ところがユダヤ人は猫を大切にする。猫がたくさんいるからユダヤ人の居住区域(いわゆるゲットー)ではネズミが少ない。だから、ネズミたちは基本的にキリスト教徒の地区にいる。するとノミを通じてペストが媒介される。しかし当時はノミが原因だと思われていないから、「ユダヤ人は特殊なことをしてキリスト教徒だけに酷いことをしている」。そんな流言によってユダヤ人の弾圧が起きる。しかしその謎を解く鍵は、猫にあった。イスラム世界は猫を大切にするし、その意味において猫にとっても住みやすいところである――。こんなふうに、ユダヤ教とキリスト教とイスラム教は、近いところと遠いところがあるんだけど、みんな不思議に思わない? といった具合に彼らの関心をひきつけます。

伊藤:講師として、とても勉強になります。

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