昨年のWBCでは世界一に貢献した阪神の湯浅

WBC戦士の湯浅が交換要員?

 阪神が安田、清宮をトレードで獲得を検討するとなれば、交換要員は出血覚悟の人選になる。在阪のスポーツ紙記者は「湯浅京己が有力候補になるのでは」と予測する。

「守護神と期待されながら結果を残せていない。今季は1軍で登板がないが、ファームで8試合連続無失点と直球の力を取り戻して来ている。本来の力を発揮すれば球界を代表するリリーバーになれる投手です」

 湯浅は新人の19年に腰椎の疲労骨折で2年間マウンドから離れたが、22年に大ブレーク。150キロを超える直球と落差の鋭いフォークを武器に59試合登板で2勝3敗43ホールド、防御率1.09をマークし、最優秀中継ぎ投手を受賞した。昨年は侍ジャパンに選出され、WBC制覇に貢献したが、シーズンは15試合登板にとどまり、0勝2敗8セーブ3ホールドとふるわない成績だった。今年は復活が期待されたが、2月の紅白戦、オープン戦と打ち込まれる登板が続き、岡田彰布監督から無期限のファーム調整を命じられた。開幕を2軍で迎え、1軍に1度も昇格していない。

 リリーバーはロッテ日本ハム共に、補強ポイントと合致している。

 ロッテは守護神の益田直也がファーム降格を経験するなど防御率4.02と本来の安定感を欠いている。セットアッパーの澤村拓一も防御率4.15と制球難で崩れる登板が目立つ。吉井理人監督は投手の育成手腕に定評があることから、湯浅は魅力的な投手だろう。

 2年連続最下位から今季は2位に躍進している日本ハムも、救援陣の層が厚いとは言えない。長丁場のペナントレースを考えると、実績があるリリーバーは大きな戦力になる。ロッテと同様に移籍組の活躍が目立つ球団だ。中日から加入したマルティネス、郡司が中軸で不可欠な存在になり、現役ドラフトソフトバンクから移籍した水谷瞬が交流戦では52打数26安打の打率5割と素質を開花させている。

「混戦のセ・リーグで阪神はリーグ連覇を狙えるチャンスが十分にありますし、日本ハムとロッテも首位のソフトバンクに差をつけられていますが、優勝を狙える位置につけている。他球団を含めて交流戦後に驚くようなトレードが成立しても不思議ではありません」(セ・リーグの球団編成部)

 38年ぶりの日本一に輝き、昨オフはFA補強に参戦せず、トレードにも動かず、静かに過ごした阪神。連覇に足りないピースを補充するため、戦力補強に動くか注目される。

(今川秀悟)

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