ロッテの安田尚憲

潜在能力は高い安田

 安田は22、23年の9本塁打が自己最多と殻を破り切れていないが、選球眼は決して悪くない。フリー打撃で見せるライナー性の力強い打球を見ると能力の半分も出し切れていないように感じる。中村奨吾と三塁の定位置争いとなった今年は開幕早々に腰痛で離脱。4月下旬に1軍再昇格し、5月は16試合出場で月間打率.313と好調だったが、6月は6試合出場で打率.071と下降して、10日にファームに降格した。

「安田は長距離砲でなく、中距離砲だと思います。右中間、左中間を射抜く打球が特徴で、変化球への対応力もある。ただ、高校時代のほうがスケールの大きさ、怖さを感じさせる選手でした。伸び悩んでいる感は否めませんが、まだ25歳と若い。潜在能力を考えればもったいないですよ」(アマチュア担当記者)

チームで守備位置がない清宮

 清宮は2017年のドラフト時に高校生最多の7球団が競合。当時は村上、安田より注目度ははるかに上だった。度重なる故障もあり1軍に定着できず、21年は1軍出場なし。背水の陣の22年、この年に就任した新庄剛志監督の助言で減量を敢行してスイングのキレを取り戻し、チームトップの129試合出場で打率.220、18本塁打、55打点をマーク。覚醒を予感させたが、その後の成長速度は物足りない。

 昨年は左腹斜筋筋損傷で約2カ月戦線離脱し、99試合出場で打率.244、10本塁打、41打点と不本意な成績に終わる。巻き返しを狙った今年だったが、1月末の自主トレ中に左足を捻り、左足関節捻挫でリハビリからのスタートとなった。開幕は2軍スタート、4月19日に一軍昇格したが打率.083、本塁打ゼロと快音は聞かれず、2週間足らずで登録抹消。6月11日に1軍再昇格し、13日の中日戦では2安打2四死球と全打席で出塁してチームの勝利に貢献したが、この活躍を続けることが重要になる。清宮が守る一塁はアリエル・マルティネス、三塁は郡司裕也が定位置をつかみ、右の和製大砲・野村佑希も控えている。今回のチャンスを生かせず再びファームに降格するようであれば、他球団へのトレード移籍も決して現実味がない話ではない。

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