有権者が政治家を鍛えるしかない
――田中さんは民主党にも所属していましたが、民主党のときはパーティーとか裏金みたいなことはあったんですか?
田中氏:私はそんなの行ったことはないし、民主党はきっとグループがあるんでしょうね。私は深くは入っていませんから知らないです。
――こういう裏金の問題とかパーティーの問題は、自民党の派閥に限った問題だと思いますか?
田中氏:野党のことはあまり知らないです。自民党は全部の派閥でしょうね。今は裏金とかパーティー券とか言っているけど、それは派閥のなかで個人の議員がパーティー券を売って、定数以外のものは自分が手に入れて、私的に使ったと。違う、党ですよ。個人の議員や派閥、党自体がずっとそういう体質なんですよ。
――私が一番危惧しているのは、こういう状況でもし衆議院が解散しても、自民党がまた勝ってしまうんじゃないかということです。民主主義が機能していないんじゃないのかと。政治とカネの問題がここまで大きく出てきて、政権に対する支持率が下がって、ここで政権交代が起きないと、もう緊張感が生まれないんじゃないかと思うんですけど。
田中氏:私も同じ意見です。自民党はけしからんし、嫌だと思うけど、野党が育っていないし、どうも信用できないから結局投票するとなれば自民党に投票する。でなかったら棄権しちゃうと。嫌でも野党に投票するしかない。(野党政権は)3カ月でつぶれるかもしれない。でもそうやって有権者が政治家を鍛える。政党を作る。そういう努力を有権者が投票によって示すと、だんだん成長して、最終的にはイギリスのような政権交代可能な二大政党になっていくと思う。それには何十年もかかると思いますよ。
――本当にそうですね。私たちは主権者教育をやっているんですけど、どうしたら若い人の投票率が上がると思いますか?
田中氏:やっぱり魅力ある政治を見せないと。気力も体力も知力も全てが充実している20~40歳ぐらいのときに、政治に参加して動かそうっていうモチベーション、自分が何に飢えているか、何を必要としているか、物価なのか、子育てなのか、親の介護なのか。そういうことを実現するために政治にぶつかっていく。立会演説会に参加して質問をする。生活者としての声を政治に伝える。反映させる。若い人にはその熱が必要だと思う。政治家に言ったってしょうがない、一票で変わるわけない。そんなことない。一票で動くんです。
(取材・構成/たかまつなな)