お金を配らないと人が集まらない
――田中さんだったら新潟の県議会議員が新潟の国会議員に対してお金をくれと。
田中氏:うちの父もすごい怒っていましたよ。父が病気になって倒れているときに、県議会議員たちがドヤドヤっと目白のうちに来て、奥さんお金出してくださいと。私はお茶を出して聞いていましたよ。うちの母が「うちの主人は病気で倒れています。あなたたちは花一本も持ってこないでお金を出せとは心外だからお引き取りください」と言って皆さんを帰したんです。それを見てすごいなと。親分が倒れていたって当然もらいに来るんですよ。
――なんの目的で……。
田中氏:お金が必要なんでしょう。それをまた自分が同じように組織に配るんでしょう。だから(別名では)「地盤培養費」といいます。自分の選挙地盤を安泰にするため(のお金)です。
――具体的には何にお金を使うんですか?
田中氏:そのお金で集会をやるの。例えば、私が街頭演説をやると、人を動員してもらうわけ。婦人部とか商店街のなんとかさんとか地域の組合とか、人を集めてもらう。そのために、彼らはお金を使っているわけ。だから自分の選挙地盤を確立するためにお金を配らないと人が集まらない。集まったらそれがまた投票行動に結びつくんです。
――それって選挙区の人にお金を渡したら公職選挙法違反ですよね?
田中氏:違反ですよ、もちろん。
――どうやってお金を渡しているんですか?
田中氏:私が一番はじめに聞いた話は、新潟じゃないですが、マッチ箱に1000円札が入っていて、それをダーって配ったことがあると他の県の議員から聞きました。
――すごく前の話じゃないんですか? いまだにそんなことがあるんですか?
田中氏:議員を辞めて10年以上になるけど、そうですよ。私が立候補したころもそうでした。今の若い有権者たちには、しっかり政治を見極めてもらって、どういう候補者を立てればいいのか、立てたあともどういう政治活動をしているかをしっかりフォローして関心を持ち続けてもらわないといけない。