「カネをくれ」ヒエラルキーの存在
――こういう問題があることは知っていらっしゃいましたか?
田中氏:知っていたというか、私は無派閥だったんです。ですから派閥からお金をもらうことはなかったんです。自民党に入って初めは無所属でしたけど、党からのお金は森喜朗幹事長(当時)からも、もらったことはありますよ。名簿順に呼ばれて行くわけです。署名して、一応領収書みたいなのを書くんですけど、お金が封筒に入ってぼんぼん渡される。そういう機会は結構ありました。それを派閥でやっていたんだなと。党の体質、党の問題だと思いますよ。今まで知らされずにいたけれど、やっと表に出たなという印象です。
――政党助成金もあるのに、そんなにお金が必要なんですか?
田中氏:私はそうは思いません。月給で月に200数十万円もらっているんです。加えて月給のほかに文書通信交通滞在費(現在の調査研究広報滞在費)というのがあって、私が当選したときは20万円でした。それが40万になって、直近を調べたら100万円ももらっているんです。だから当選1回生であろうと10何回生であろうと300万円近いお金をもらっている。1部上場企業の社長でも、月300万円近いお金をもらっているでしょうか。そのほかに党からもらったり、派閥からもらったり、それから個人のパーティーを開いてまたお金をもらって。はっきり言って、私は政治家はもうかっていると思いますよ。じゃなかったら、あんなに立候補しませんよ。
――国政選挙に出ると、1回1000万とか2000万とかかかると聞いたことがあります。
田中氏:そう思います。でも一番かかるのは何かというと、日頃選挙に出ないときにも、県議会議員、市会議員、市長、村議会議員、それらが全部ヒエラルキーになっていまして、自分たちの選挙があるときは、国会議員にお金をくれというのが当然なんですよ。