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 中高年になってよく出てくる健康問題である高血圧。健康診断で気になるスコアが出た場合、早めに受診するのは大切なことだが、薬だけに頼るのではなく、食生活を見直すことで改善されることもある。健康診断の読み方と数値別・食養生について、アンチエイジングクリニックを開院した医師・満尾正氏の新著『ハーバードが教える 最高の長寿食』(朝日新書)から一部を抜粋、再編集して解説する。

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血圧が高い人

 中高年になると、多くの人が高血圧気味になり、健康診断の判定によっては血圧を下げる薬を処方される人も少なくありません。確かに、高血圧はさまざまな病気を引き起こす要因になります。日本では、高血圧からつながる脳出血が死因の多くを占め、対策が重要であった時代もありました。もちろん、上の血圧(収縮期血圧)が180mmHgを超えるような高血圧であれば、要注意です。

 ただし、降圧薬などで必要以上に血圧を下げ過ぎれば、脳の血流が低下してしまい、違う問題も生じてきます。近年は脳の血管が破れる脳出血が減少する一方で、脳の血管が詰まる脳梗塞が増えていますが、これには降圧薬によって血圧を抑えていることも少なからず影響しているのではないかと考えています。

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上の血圧が「年齢+90」以下ならOK