※写真はイメージです(Getty Images)

 中高年になってよく出てくる健康問題である高血圧。健康診断で気になるスコアが出た場合、早めに受診するのは大切なことだが、薬だけに頼るのではなく、食生活を見直すことで改善されることもある。健康診断の読み方と数値別・食養生について、アンチエイジングクリニックを開院した医師・満尾正氏の新著『ハーバードが教える 最高の長寿食』(朝日新書)から一部を抜粋、再編集して解説する。

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血圧が高い人

 中高年になると、多くの人が高血圧気味になり、健康診断の判定によっては血圧を下げる薬を処方される人も少なくありません。確かに、高血圧はさまざまな病気を引き起こす要因になります。日本では、高血圧からつながる脳出血が死因の多くを占め、対策が重要であった時代もありました。もちろん、上の血圧(収縮期血圧)が180mmHgを超えるような高血圧であれば、要注意です。

 ただし、降圧薬などで必要以上に血圧を下げ過ぎれば、脳の血流が低下してしまい、違う問題も生じてきます。近年は脳の血管が破れる脳出血が減少する一方で、脳の血管が詰まる脳梗塞が増えていますが、これには降圧薬によって血圧を抑えていることも少なからず影響しているのではないかと考えています。

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満尾正

満尾正

満尾 正(みつお・ただし) 満尾クリニック院長・医学博士。日本キレーション協会代表。米国先端医療学会理事。日本抗加齢医学会評議員。1957年、横浜生まれ。1982年、北海道大学医学部卒業。内科研修を経て杏林大学救急医学教室講師として救急救命医療に従事。ハーバード大学外科代謝栄養研究室研究員、救急振興財団東京研修所主任教授を経た後、2002年、日本初のキレーション治療とアンチエイジングを中心としたクリニックを赤坂に開設、2005年、広尾に移転、現在に至る。主な著書に『世界の最新医学が証明した長生きする食事』『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』(アチーブメント出版)、『世界最新の医療データが示す 最強の食事術』(小学館)、『医者が教える「最高の栄養」』(KADOKAWA)など多数。

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