特に高齢者の場合、加齢に伴い「アルドステロン」というホルモンの分泌量が減少すると、体内の塩分を維持する力も低下するため、塩分制限も過剰にしすぎないように注意が必要です。ナトリウムが不足して低ナトリウム血症(血中のナトリウム濃度が低くなる)になり、逆に体調が悪くなることもあるので、全員が塩分制限をすればよいというわけではありません。塩分を制限されている方は、年に1回は血液中の塩分濃度の指標である、ナトリウムと塩素の濃度を確認することをおすすめします。

 塩分の摂り方もバランスを考えながら、工夫していくことが大切です。動物性脂肪と塩分を一緒に摂ると血圧を上げ、動脈硬化を進めます。一方、魚の脂と大豆のたんぱく質は血管を守る力があることが疫学研究からも明らかになっています。

 こうしたことからも、魚・大豆を中心に肉は控えめにといったバランスを考えて摂ることの大切さがわかります。同時にカリウムが豊富な野菜をたくさん摂れば、ナトリウムとバランスがとれて体の機能が正常に働きやすくなります。

 また、味覚が鈍化していると塩分の摂取量も多くなりがちですから、味覚を正常化し、繊細な違いを味わう感覚を保つよう心がけましょう。味覚を正常化するのに必要な栄養素は亜鉛です。亜鉛は牡蠣やシジミなどの貝類、カニ、うなぎ、チーズ、卵などから補給できます。

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