古賀茂明氏
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 イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への空爆と地上侵攻が続く中、世界中でイスラエル非難の声が高まっている。民間人の被害を最小限に抑える努力をしているというイスラエル政府の言葉は完全にまやかしだ。南部に避難しろと言いつつ、南部の街を攻撃したり、南部に向けて負傷者を運ぶ救急車をミサイル攻撃したりするなど、明白な国際法違反であるだけでなく、先週の本コラムで指摘したとおり、イスラエルの行為はジェノサイドそのものだということがますますはっきりしてきた。

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 これに対して、岸田文雄首相は、米国の意向を忖度して行動するだけで、「平和国家日本」として独自の声を上げることは全く考えていない。

 岸田首相は11月3日から訪問したフィリピンでマルコス大統領との首脳会談において、「ハマス等によるテロ攻撃を断固として非難するとともに、人質の即時解放・一般市民の安全確保、全ての当事者が国際法に従って行動すべきこと、周辺国への波及防止と事態の早期沈静化、ガザの人道状況の改善が重要であるとの日本の立場を説明し」たそうだ(外務省ホームページ)。

 しかし、そこには、イスラエルの攻撃への非難や懸念の表明はなかった。「ガザについても話しました」という単なるアリバイ作りでしかない。岸田首相にとっては、世界中が今最も心を痛めているパレスチナ人の人権や命など全く関係ないということなのだろう。

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日本の平和外交を根本から変質させる