自民党の古屋圭司氏。超党派「明治の日を実現するための議員連盟」で会長を務める。

 心配なのは、この予算が倍々ゲームで増加し、一方でただでさえ激減しているODA予算が大きく削られていくことだ。

 平和を守るには軍事よりも外交という平和主義の基本哲学が逆転し、軍事最優先に転換していく日本だが、そのステップが、「軍事と外交のせめぎ合い」という段階から、外交政策の中に軍事が埋め込まれてそれが増殖し、気づいてみたら、「軍事のための外交への変質」という事態になるのではないか。すなわち、本来の日本の平和外交が消滅するのではないか。

 私にはそう思えてきた。

 ここまでは、岸田首相は、「文化の日」=「戦争放棄宣言記念日」を「軍事の日」=「外交の軍事化記念日」に変えてしまったという話だが、それと時を同じくして、驚くようなニュースが流れた。

 超党派の「明治の日を実現するための議員連盟」という議連が、明治天皇の誕生日に当たる11月3日の「文化の日」に「明治の日」と併記を求める祝日法改正案を来年の通常国会に提出し、成立を目指すというのだ。具体的には、「文化の日かつ明治の日」と表現する併記案を検討しているそうだ(産経新聞)。

 議連会長の古屋圭司元拉致問題担当相(自民党)は「明治は、日本が近代国家に生まれ変わった重要な足跡だ」と訴え、その意義を強調したらしい。極右思想を持つ自民党安倍派の変人の集まりというわけではなく超党派の議連であるのが恐ろしい。日本維新の会の馬場伸幸代表や国民民主党の前原誠司代表代行が入っているあたりまではまだ驚きはないのだが、公明党の中野洋昌元内閣府政務官や立憲民主党の大島敦企業・団体交流委員長なども名前を連ねていると聞くと、日本はどうなってしまったのかとあらためて驚いてしまう。

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「GHQが文化の日に変えさせた」?