畜産物は穀物の57%しかカロリーがなく、効率が良くないともいえる。畜産物を食べるほどに地球には飢餓が増える、ともいえよう。

 畜産物は現状よりも約1億6700万トン少なくなるが、その方が地球に住むヒトの食料向けの穀物供給量が増え、飢餓で苦しむ人類を救うことができるとなればベターな選択ではあるまいか。

 生産した穀物を人間と家畜とでどう分け合うかを、衰えつつある地球の体力と相談し、どちらが飢餓を救う対策として有効なのか選択せざるえない局面なのである。

 だからといって、動物性タンパク質は人間の身体にとって原則的に不可欠なので、畜産物をなくすことはできない。すべての牛肉や豚肉をやめて穀物に回そうとか、はては昆虫食を摂ろうとかいうのは非現実的だ。1日に摂るべきとされる60グラム程度のタンパク質の1割に当たる動物性タンパク質5~6グラムは、畜産物か魚介類などから摂ることが必要とされているからである。

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