スマホを「断罪」するネガティブキャンペーンの影響があろうとなかろうと、多くの人がこんなふうに心配しているのが現実です。そんな中で、「スマホ依存」などという言葉を聞くと、「あ、自分も依存なのかな……」と心配になってしまうのも致し方ないでしょう。

 実際、本書で取り上げてきたようなスマホのSNSやゲームにハマって、

「このままだと“ゲーム依存”になってしまうんじゃないか?」

「自分はすでに“スマホ依存”なのではないか?」

 そんなふうに心配している人もかなり多いのではないでしょうか。それを測るモノサシが存在しないので、当然と言えば当然のこと。いったいどこからが依存症でどこまでが正常なのか、誰もわからないからです。

 ここで注意しておきたいのは「依存」という言葉です。かなりドキッとする言葉ですよね。

 しかし「スマホ依存」は、医学的には「依存症」として扱われていません。これは「ゲーム依存」や「SNS依存」に関しても同様です。

 一方で、もちろん「薬物依存」や「ギャンブル依存」には医学的定義があり、医療的な対処法も生まれています。そしてそれらの「依存症」と称される症状に対して、ゲームやSNS、スマホなどへのハマり過ぎの状態はそうした定義に分類されないのです。

 そのため、そうした「ハマり過ぎ」を「依存」と呼んでもいいものなのか、実際に現在も科学的な議論が続いています。

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「PSU」は問題のあるスマホの使い方の意味