実際に行われた実験の結果は、「頭だけ」グループに比べ、「スマホでメモ」グループの方が断然に正解率が高かったのです。赤い数字の正解率は17%アップ。しかも、黒い数字はさらに大きく28%もアップしました。

 この結果は何を意味するのでしょうか?

 まず、ただ記憶するだけではなく、スマホに打ち込むという能動的な「インプット」のプロセスを経たことで、脳のエンゲージメントが高まったため記憶力が上がったという解釈ができます。

 ただボーッと見るのではなく、見たものをスマホにインプットするという脳を使う動きで、17%記憶力が上がったというわけです。

 それではなぜ、黒い数字の記憶力もアップしたのか?

 ここで注目すべきが、メモを取ることの安心感です。メモが、「大事なことをスマホに入力した」という自信や、「また見ることができる」という落ち着きにつながるというわけです。

 そのことで、赤の10分の1しか価値のない黒い数字にも、より多くの意識を向けることができた結果、黒い数字の記憶が28%もアップしたと解釈できるのです。

 いずれにしても、17%の記憶力アップ、28%の記憶力アップですから、研究結果は、「スマホを使うことで記憶力がアップした」ことを示しています。

「スマホが認知力を下げる」という研究結果は実際に存在しますが、その真反対の結果が明らかにされているのです。要するにその差は、スマホの使い方の違いなのです。

 読んでいるのか、聞いているのか、情報のインプットの形によって効果的なメモの仕方が違ってくる。

 つまり、情報をインプットする時に、がむしゃらにメモを取っては記憶力の無駄遣いになってしまうかもしれないのです。インプットの仕方によって最適のやり方を選ぶことで、記憶力をアップさせることができます。
 

暮らしとモノ班 for promotion
大谷翔平選手の好感度の高さに企業もメロメロ!どんな企業と契約している?