これまでの研究結果を基に、さらに精密な分析を行うということで、「メタ分析」と呼ばれる研究の手法です。
そのメタ分析が出した結果、スマホの使用時間とメンタルの相関は、「0.01」であることがわかりました。ここで言う「相関」とは、スマホの使用時間と良いメンタルの状態の関係性の強さを表しています。
スマホを使用すればするほど、良いメンタルになるという傾向があり、その傾向が最大限に強ければ相関は「1」。スマホとメンタルがまったく関係なければ「0」。スマホを使うとメンタルが悪くなる傾向が最大ならば「-1」。
そしてメタ分析結果の「0.01」。これはまさに誤差の範囲内で、統計的に有意ではない、つまり、スマホの使用時間自体とメンタルには相関がないという結果が出てきたのです(しかも、誤解を恐れずに言ってしまえば、どっちかというのであれば、スマホを使用すればメンタルが良くなる方にほんの少しだけ寄っているわけです!)。
スマホには悪い影響もあるかもしれないけれど、一方で良い影響もある。全部の研究結果を合わせてみると、良い点と悪い点が相殺され、全体的にはどちらでもない。
そうなった場合、さらに細かく、どんなスマホの使用が悪影響を及ぼして、どんな使用が良い影響を及ぼすのかを研究する必要があります。最近のスマホ研究は、まさにそれを明らかにしてきたのです。