データサイエンスの知識を有していることは、就活でもかなり有利に働きます。私の元に「GAFAM」(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)から「データサイエンスを修めた優れた学生はいませんか」という問い合わせが来るほどです。私が指導した学生は、広告会社や官公庁、メーカー、コンサルタント会社などに就職し、経営企画戦略やマーケティングなど重要な職種を任されています。データサイエンス+コンピュータービジョン+AIまでしっかり勉強した学生は年収数千万円の会社に就職しています。学部卒でもプログラミングとデータサイエンスを習得した学生は国内企業で年収600万円ほどを得ています。

 気になるのは理工系の女子が少ないことです。理工系を選ぶと結婚子育てなどのライフステージに不利に働くという固定観念が残っているように感じます。実際は、就活に有利なだけでなく、修士課程まで進めば転職しやすかったり、福利厚生の行き届いた企業を選択できたり、と生き方の幅が広がります。

 とはいえ、女性への偏見が根強いのは事実です。私も大学の研究室で回路設計した際、「本当は男子学生に作ってもらったんでしょ」と言われた経験があります。横にいる後輩の男子学生には私がいろいろ教えてあげる立場だったんですが(笑)。女性の仲間が少ないことに不安を感じる人もいるかもしれません。でも、結束はすごいです。ほとんどの女性の先輩たちが助けてくれます。私も指導した女子学生たちとは卒業後も強いつながりを維持しています。先輩たちを頼りに、ぜひ新しいことにトライしてください。待っています。

(構成/編集部・渡辺豪)

AERA 2023年6月5日号

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渡辺豪

渡辺豪

ニュース週刊誌『AERA』記者。毎日新聞、沖縄タイムス記者を経てフリー。著書に『「アメとムチ」の構図~普天間移設の内幕~』(第14回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞)、『波よ鎮まれ~尖閣への視座~』(第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞)など。毎日新聞で「沖縄論壇時評」を連載中(2017年~)。沖縄論考サイトOKIRON/オキロンのコア・エディター。沖縄以外のことも幅広く取材・執筆します。

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