しばらく隔離した後にうちの子たちに会わせると、ライムは特に関心なく、レモンは「シャー」。でもゆずは、目を輝かせて「にゃ~」と鳴き、べろべろなめはじめたのです。

「これは僕の子」といわんばかりに抱きしめるので、「ゆずがママだったの? いつ産んだの?(笑)」と声をかけるほど。くわえてどこかに連れていこうとするのでハラハラすることもありましたが、子に“ぴたっ”と寄り添うゆずの姿は、本当にいとおしいものでした。

 こうして後から来た子猫を可愛がるのも、自分が来た時に先輩レモンに受け入れてもらったからかもしれません。「今度は自分が可愛がる番」と思ったのでしょう。

小さなこなつ(右)を抱えるゆず
小さなこなつ(右)を抱えるゆず

■突然の状況に人も猫もついていけず

 ゆずは、小さな恋人ができてうれしそうでしたが、なぜか足先をなめるのが止まらず、傷が治らないので、9月にまず爪を取り、その後、傷んだ指を一本切りました。ああまた痛い思いを、と胸がつぶれる思いでしたが、これで落ち着けばいいなと祈ったものです。

 ゆずは足のこと以外は、順調でした。マイペースだけど、何をしても怒らないゆずは、家族みんなに愛されて。これからも、ゆず中心に生活が続くのだろうと楽しみでした。

 ところが去年10月12日、そんな生活にピリオドが打たれました。

 ゆずが、とつぜん旅立ったのです。

 その頃、朝は主人が猫たちの世話をしてから出勤し、その後に私が起きるのが日常で、この日もそうでした。後で聞くと、朝少し元気がなく、ご飯も残したそうですが、それほど珍しいことではないのでそのまま出かけたのです。

 うちでは外出時、ペットをそれぞれのケージに入れています。私が出かける時には、トイレ横の床に横になっていました。普段からトイレで転がっていたりするので、気にとめず、家を出てしまったのですが……。

 夕方、先に家に戻った娘から何度か電話があったので、なにかな?とかけ直すと、「ゆずが動かない……死んじゃった」というのです。「ええ?」と耳を疑いました。

“あの日”の前日までくっついていたゆず(左)とこなつ
“あの日”の前日までくっついていたゆず(左)とこなつ
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レモンとこなつはそわそわしてゆずを探し