「身をもって効果を実感したんです。それで生徒さんにも発酵食の作り方を教えたところ、『お通じがよくなった』『朝起きられるようになった』『生理痛が軽くなった』『肌がきれいになった』など、すごく喜んでもらえて。ザワークラウトなら低コストですし、いくつかのポイントを押さえれば発酵食の初心者でも簡単においしく作れますよ」

 和田さんが教えてくれた「基本のザワークラウト」の作り方の手順は末尾のレシピの通り。今の時期なら常温で7日間ほど置くとちょうどいい発酵具合になるという。以下、とくに大事なポイントを三つ挙げる。

 まず何よりも大事なこと、それは殺菌だ。菌には“縄張り争い”があり、何かの菌が先に繁殖すると、他の菌が入りにくくなる性質がある。つまり、乳酸菌による発酵が進む前に雑菌が繁殖すると腐敗してしまうのだ。保存瓶はもちろん、包丁やまな板などの調理器具も熱湯やアルコールで消毒する必要がある。

 二つめは、塩の分量。塩には防腐効果があるのだが、多すぎると今度は乳酸菌の発酵を止めてしまう。「野菜の重さの2%」を守ることが大切だ。

「塩にはもう一つ、キャベツから水分を抜く役割もあります。保存瓶の中に十分な量の水分を出し、発酵中はその水の中にキャベツがちゃぽんと漬かっている状態にしてください」

 そして三つめのポイントは、味。和田さんによると、「ザワークラウトが好きではない」という人の多くは、市販品に使われているキャラウェイシードの風味が苦手なのだという。
「キャベツの青臭さを落ち着かせるための香り付けなのですが、日本人にはキャラウェイよりもクミンシードのほうがなじみやすい。これまで食べていたザワークラウトより断然おいしく感じると思います」

 ザワークラウトはそのまま食べてもおいしいが、料理に使うのもおすすめだ。キャベツを刻む手間もいらないし、水分を出しているので火が通りやすく時短にもなる。和田さん考案の三つのアレンジレシピは、塩麹を加えた“ダブル発酵”で、腸活効果がより期待できるという。

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