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特集special feature

家で死ぬということ
日本にホスピスを広めた立役者のひとりである著者が、在宅ホスピス医に転身して見えたことを綴った。前半はホスピス医時代に書いた文章の再録なので、気持ちや考え方の変遷がよくわかり、読者の理解も深まる。 ホスピスに入れるのは主に末期がんの患者だ。しかし、ホスピスケアが必要な患者はほかにもいる。そこに気づいた著者は、在宅での看取りに舵を切る。ホスピスの否定ではなく、ホスピスの大切さを熟知しているからこその決断であった。 東京都小金井市のホスピスを辞めて、2005年、小平市に「ケアタウン小平」を開く。訪問看護ステーションやボランティアと連携し、24時間対応の訪問医療と自宅での看取りを実現した。 アウトドア好きな男性は、最後はベッドごと庭に出されて旅立った。「4歳の孫娘に毎日会う」という希望通りに過ごせた女性もいる。一日でも長く生きたいと考えた50代の女性は、人工肛門をつくり腎臓カテーテルを始め、大好きな母親に看取られた。著者の対応は常に患者本位だ。死はほかでもない当事者のもの。そんなメッセージが伝わる。




