
なぜ小室圭さんの動向にざわついてしまうのか 名古屋大河西准教授が語る意外な理由
小室圭さん
秋篠宮ご夫妻の長女・眞子さん(30)と結婚した小室圭さん(31)が、3度目の受験をした米・ニューヨーク州の司法試験に合格してから1カ月がたつ。司法試験に晴れて合格して、小室さん・眞子さんの話題は終息していくかと思いきや、なぜ、我々はこの二人の動向にざわついてしまうのだろうか。象徴天皇制に詳しい歴史学者で名古屋大学大学院人文学研究科准教授の河西秀哉氏に話を聞いた。
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小室圭さんが再試験に挑んだ米・ニューヨーク州の司法試験の合格者の名前がホームページに掲載されたのは、日本時間10月21日の午後のこと。前日には本人に合格の通知が届いたと報じられ、朝の情報番組では「速報・小室圭さんまもなく合格発表」などというテロップを打ち出し報じていた。
3度目の挑戦で合格の第一報には、SNS上で「合格おめでとうございます。国民のほとんどが合否を気にしているというプレッシャーの中の合格はすごい!」などの声が書き込まれた。この合格の吉報のあとも小室圭さん・眞子さんの話題は「定期的」に尽きることがない。このことに、名古屋大学人文学研究科准教授の河西秀哉氏は「皇室のことは世代を問わず国民の誰でもが知っているから」だと分析する。
「人気のアイドルグループは、国民の全員が全員知っているわけではないですよね。アイドルの話は刺さる人には刺さるけど、わからない人には顔も名前も全く分からない。一方で皇室の方々および、小室圭さんのように皇室に関わる人はみんなが知っているから、ヒットしやすいというか、平均点以上の関心を集められるから報道されるのでしょう」
世代を問わない認知度と言えば、たしかに小室圭さんは絶大だ。一方で「ある世代だけにヒットするのではなくまんべんなくヒットするということは、それだけ不特定多数が叩いてくることにもつながる」と河西氏。その一つの要因にあるのはコロナ禍ではないかと推測する。
「コロナ禍で社会が鬱積してしまって、結局、はけ口を探している面もあると思います。今のところ、皇室に対して叩いても訴えてはこない。小室圭さんは皇室の方ではないですが、皇室とつながる方ですよね。世代を問わずみんなが知っている人に不満のはけ口が向き、訴えられないから鬱積しているものが投げかけられているのだと思います」
「海の王子」に選ばれた当時の小室圭さん
一方で、小室圭さんのように「まんべんなくヒットする」人物は叩かれるばかりではないとも河西氏は言う。
「世代を問わずまんべんなくという意味では、若い人たちの中では小室圭さんと眞子さんを擁護した人たちもいた。『なんで好きな人と自由に結婚できないの?』『なんでみんなが小室圭さんとの結婚に文句言うの?』みたいな声もあった。学生たちは普通に言うんですよね。若い世代の人たちからすると『自分たちが思った通りに自由に結婚できないのは一体何なんだ』と思ったようです。そういう意味でも、小室圭さん・眞子さんは関心を呼んだんですよね」
普段、皇室に関心が薄いであろう年代にも刺さった話題であった。また、こうして継続的に話題になる小室圭さんに対し、河西氏は「小室さんに勝手に抱いたイメージ」による部分も大きいと指摘する。
「結局、私たちには皇室に対するイメージみたいなものがある。被災地訪問を繰り返され、ある種の滅私奉公とも言えるようなものを私たちは見てきました。とくに平成の最後のほうは、皇室に対するイメージが純化してしまったところもある。それが、最終的には令和の即位の時の国民の支持にもつながったわけで、そこに、ある意味『ちょっと違う人』が現れた」
たしかに、2017年、ご婚約内定のときには、国際基督教大(ICU)在学時の同級生で法律事務所勤務、さらには湘南の「海の王子」という肩書きも話題になった。思い返せば「ちょっと違う人」ではあった。
「小室圭さんのような方は、実社会には普通にいるんですよね。私も大学で若い世代と普段接していますが、多様な考えを持った人たちはいる。昔より個性が尊重されます。しかし、こと、皇室の方と結婚した人となると、そうではなく、『期待していた分、裏切られた』みたいな感情が生まれてしまうのでしょう。でも、繰り返しますが、これも私たちが皇室に対して抱いた勝手なイメージからくるもの。そのイメージが諸刃の剣となり、小室さんに対しては拒否反応を示す結果になったと思います」
11月30日は小室圭さんの「義理の父」である秋篠宮さまの57歳のお誕生日。誕生日には小室圭さんに関するコメントもあるのではないかと既に報じられている。また「小室圭さん」の話題を目にすることになるだろう。
(AERAdot.編集部・太田裕子)