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親が血眼になって子の“楽器”探す…小川洋子の新作が想起させる出来事
作家の小川洋子さんが新作の長編『小箱』を上梓した。作品の舞台は元幼稚園で、その講堂にはびっしりとガラスの小箱が置かれている。それは「死んだ子どもの未来を保存するための箱」。語り手の「私」は元幼稚園に暮らし、番人のように小箱や、訪れる親たちを見守る。着想の背景には、若くして亡くなったわが子が死後の世界で結婚できるよう、結婚式の様子を描いてお寺に奉納する「ムカサリ絵馬」という東北の風習がある。死のにおいがする同作品は、多くの人にとって忘れることのできないあの出来事を想起させる。AERA 2019年11月18日号に掲載された記事を紹介する。

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