野村克也、広岡達朗…選手を生かす監督、名コーチの条件【八重樫幸雄】 (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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野村克也、広岡達朗…選手を生かす監督、名コーチの条件【八重樫幸雄】

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西尾典文dot.
1993年のプロ野球日本シリーズで西武を破り、日本一を掴んだヤクルト・野村克也監督 (c)朝日新聞社

1993年のプロ野球日本シリーズで西武を破り、日本一を掴んだヤクルト・野村克也監督 (c)朝日新聞社

八重樫幸雄氏

八重樫幸雄氏

■勝っていくうちにチームがまとまった広岡監督時代

-監督によって大きくチームが変わるということはやはりありますか?

「一番大きく変わったのは広岡(達朗)さんですね。それまでの別所(毅彦)さん、三原さん、荒川(博)さんはどちらかというと大まかなことだけ言って、他は自由にやらせるタイプでした。しかし、広岡さんが監督になると、技術的に細かいところまで指示をして、全体練習も長くやるようになりました。それも実績のある選手も若手も関係なく、全体練習をやったので、最初はベテランからかなり反発がありましたよ。でも、シーズンで勝っていくようになって、チームはまとまった。このままいけば優勝できるかもと思うようになって、ベテランも文句を言わなくなりました。こうやってうまくいくこともあるんだなと思いました」

-やはりヤクルトといえば野村克也さんのイメージが強いですが、野村さんはどうだったのでしょうか?

「野村さんは細かいイメージがあるかもしれませんけど、全てがそうというわけではないんです。バッテリー、配球のこととバッティングについては相当細かいですが、それ以外のところはコーチに任せていました。また、ベテランに対して凄く気を遣うんですね。あとは何でも自分で言うのではなくコーチを通じて伝える。ミーティングでもコーチの意見をまず聞いていました。それまでの監督とはそういう点が大きく異なっていました」

-多くの監督をご覧になってきて、八重樫さん自身が考える理想的な監督の役割とはどのようなものになるでしょうか。

「監督は現場のトップですから、大方針をしっかりと決めて、それをぶれないようにすることが大事だと思います。チームがうまくいっていないときは、かなり方針がぶれるんですよ。あと、細かいところはコーチに任せること。そういう意味でも参謀役となるコーチの存在は重要ですね。野村さんが監督の時は松井(優典)コーチがその役割をうまく果たしていたと思います」

-八重樫さんはコーチとしても多くの選手を指導されてきましたが、コーチとして重要なことについてはいかがでしょう。

「まずは責任を持って指導することが一番ですね。思い付きではなく、選手をよく見て、その特性に合わせて指導をしていくということでしょうか。意外にそれができるコーチは少ないように思います。技術については、選手の現状を見て段階を踏んで伝えること。いきなり型にはめると、うまくいかないことが多いです。基礎となる体力的な練習はある程度決まったことをしっかりやる必要がありますが、フォームなどはまずはそれまでのやり方でやらせてみて、うまくいかないタイミングでアドバイスした方が効果的だと思います。あとはその選手によって言い方、伝え方を変える。実績のあるベテランに若手と同じように言ったら反発しますよ」



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