ほかにも時間の使い方や怒りの沸点までの時間なども違っていた。
「他人からは私は穏やかに見えるようなんですが、実は結構、怒りっぽい。でも、主人はもともと、やさしいというのもあり、怒りまでの沸点が遅いんですね。だから、ケンカになることは、ほとんどありません。また、6つ年下ですが、話しが合わないということもなく、むしろ年下ながら、見習うことや教わることが多いですね。人当たりがよく、高齢者や近隣の方々たちをとても大事にするから、近所の評判がとってもいい。おかげで、私もその恩恵に与っています。もし、若い頃に結婚していたら、よくできた夫に対して嫉妬をしていたんじゃないかな。今は、そんなことはなく、謙虚な気持ちでいられるのも50歳婚のおかげだと思います。私もダテに歳は取っていないなと(笑)」
大病を経験したことで日々の食事作りには特に気を遣っている。
「自分が病気をしたのと私たち夫婦の年齢を考えて健康のため、食事には特に気をつけています。できる範囲で減農薬や無農薬のものを使い、塩分、糖質、カロリーを控えめです。夫はランチで肉を食べることが多いので『夜は魚料理を』とリクエストされますが、なかなかレパトリーが増えないのが目下の悩み。結婚当初は同じようなメニューが続いたものですが、夫は文句を言わずに食べてくれました。それに結婚してわかったのが、2人分を作る難しさです。独身時代は家族4人分だったので、どうもそのクセが抜けなくてついつい大量に作ってしまいます」
■介護も子供がいないのも想定内 ふたりでいれば乗り越えられる
こうして日々、新しい発見と成長をしながら過ごしてきた5年間だが、50歳婚が直面する問題のひとつ、親の介護を抱えている。
「実家の父が数年前に脳出血で倒れ、幸い一命を取りとめたものの現在は要介護5で施設に入所しています。基本的には母が毎日、施設に通っていますが、母も高齢なので、時間が許す限り私も行くようにしています。夫はそれについても、とても理解があり、嫌な顔せずに協力してくれます。休日にはふたりで行くことも多く、両親も喜んでくれていますね。夫の両親は幸い元気ですが、いずれ介護が必要になる日かくるかもしれません。そんなときが来たら、もちろん全力でお世話しますよ。そう素直に思えるのも自分が病気をし、周りのみんなに支えられてきたからです」