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 妻か、不倫相手である恋人か。女優・小泉今日子(52)が事務所独立と「不倫」を宣言。その相手である俳優・豊原功補(52)が記者会見で口にしたのは、2人の女性の間で揺れ動く気持ちだった。小泉との関係がきっかけで妻子と別居。だが「離婚協議」はしていないという。カップルカウンセラーの西澤寿樹さんが夫婦やカップルの間に起きがちな問題を紐解く本連載。今回はこの騒動を例に、多くの夫婦が抱える「夫婦としてやっていけるのか」という悩みの本質を解説する。

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 小泉今日子さんの「不倫宣言」が話題になっています。真実は本人たちにしかわかりませんが、報道されている断片的な情報から、お相手の豊原功補さん夫妻にとっての問題を、夫婦としてやっていける可能性があるのかという切り口で考えてみたいと思います。なぜなら、多くの夫婦が抱える悩みに通じる点があるからです。

 まず、当たり前のことですが、法的に婚姻関係にあることと、夫婦として成り立っているか(または、その気持ちがあるか)は基本的には別のことです。注意すべきことは、相互に愛情という気持ちがあるから婚姻関係に移行する(結婚する)ことは可能ですが、逆に婚姻届を出せば愛情が芽生える、ということはないのです。これは法律婚も事実婚も同じです。

 至極当たり前に聞こえますか? でも、世の中では「結婚しているのだから……」という理由をよく聞きます。「結婚しているのだから、他の異性と交際してはいけない」というのは確かにその通りです。結婚という契約はそういう内容を含みます。しかし、「結婚しているのだから、他の異性を好きになってはいけない」というのは無理があります。気持ちはさまざまな要因で動くもので、結婚しているから、という法的状態によって動きを固定することはできないものです。

 豊原功補さん夫妻は別居中ですが法的状態は「婚姻状態」で、報道されている記者会見でのやり取りによれば、それは夫婦の関係がうまくいかないから別居になったというより、小泉さんとの関係が前提でそうなったとされています。ということは、豊原さんは、妻と一緒にやっていくよりも、小泉さんとの人生を選んだ、ということが推測できます。つまり、豊原さんと小泉さんは、同居はしていないものの「事実婚状態」だということです。

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