目のかゆみには目薬を差す場合もある。蓮池さんによると、薬局で市販されているのはアレジオンという抗アレルギー薬のものだが、医療機関では、より効果のあるものも処方可能で、健康保険も適用されるという。
蓮池さんは「風邪と花粉症の症状で、区別しにくいことがある。花粉症でも微熱が出ることもあり、医師なら検査するとわかる」と話す。症状に合わせて適切な薬を選び、調整もできるため、迷ったら医師に相談してみたほうがいいという。
薬では十分な効果がなく、特に鼻づまりが気になる場合に、レーザー手術という治療法もある。鼻粘膜に麻酔をかけて、「レーザーで粘膜を焼き、アレルギー反応を抑える」(蓮池さん)。
さらに、「根本的に治す唯一の治療法」(同)として、免疫療法がある。原因物質のアレルゲンを少しずつ体内に注入し、徐々に増やして免疫の獲得を狙う。
免疫療法は、これまでは注射によるもので、通院の必要があったが、最近は、舌の裏側に薬を滴下して飲み込む舌下免疫療法も出てきている。
免疫療法は3~5年続ける必要があり、「脱落する人も多く、症状が軽くなる人もいれば、効果がない人もいるようだ」と蓮池さんは話す。
毎年、花粉症に苦しんでいる人は今年は早めに対処したい。目や鼻に異変を感じたら、医療機関に相談するのがよさそうだ。(本誌・浅井秀樹)
※週刊朝日 2023年2月17日号