週刊朝日 2023年2月17日号より
週刊朝日 2023年2月17日号より

 同じ東京についての花粉飛散の調査でも、都と環境省で数値に違いがあるのはなぜか。都はスギとヒノキの合計値の予測だが、環境省はスギだけ。都の担当者は「スギの花芽は実際に林に入って観察するが、ヒノキの花芽調査は難しい」と話す。さらに、都の予測は花芽調査に加え、気象条件など近隣の花粉の飛散も考慮して予測しているという。

 花粉症に悩む日本人は多い。今年は早めに念入りな対策をするほうがよさそうだ。前出の蓮池さんのクリニックでは、毎年2月の中旬くらいから患者が多くなる。男女や年代のかたよりはないという。患者数は3月中旬にピークを迎え、その後はヒノキ花粉症の患者が3月下旬くらいから訪ねてくる。スギもヒノキの花粉症も、同じ人がなることが多いという。また、お天気が良く、花粉が大量飛散したときは、患者が多くなるともいう。

「まずはマスクや眼鏡を着用して吸い込まないことが大事」と蓮池さんは話す。帰宅したときは、衣服に付着した花粉を玄関先でよく払い落とし、持ち込まないことが大切だという。帰宅時のうがいや手洗いも推奨する。また、洗濯物は部屋干しにして、できるだけ花粉が付着しないように心がけたいとも。室内では、空気清浄機を稼働させるのもいいかもしれないという。

 環境省は花粉対策として、マスクの内側にガーゼをつけると効果が高いとしている。部屋を換気する際、レースのカーテンなどで遮り、窓を開けるのは10センチ程度にとどめる。掃除はこまめに、濡れ雑巾やモップで清掃することを勧める。衣類は毛織物でなく、ポリエステルや綿製品で、起毛のないものを着用するのがいいという。

 花粉症は侵入した花粉を取り除こうと、くしゃみや鼻づまり、目のかゆみなどが起こるアレルギー反応とされる。初期療法として、抗ヒスタミン薬を毎日服用し、反応を抑えることを蓮池さんは挙げる。ヒスタミンの働きを遮り、鼻水や鼻づまりなどの症状を抑制してくれる。鼻噴霧用ステロイド薬などのスプレーもある。

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