一般選抜より先に合格を決めたのは、東大学校推薦型選抜(旧推薦入試)と京大特色入試の受験生たち。その“スーパー高校生”たちの素顔を紹介する。今回は京大農学部への進学が決まった神戸大附中教(兵庫)の二神渚月さん。
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■嵐の曲を聴き、オンオフのメリハリ
「女子高校生のヘアダメージ」について、高校の授業で研究した経験を志望理由書に書き込んだ。陸上部と、どの部にも入らない帰宅部の女子生徒から毛髪をもらい、髪の内側を守るキューティクルの量を測ったという。
「最もダメージが大きかったのは陸上部に所属し、かつ、毎日ヘアアイロンを使用していた場合です。ヘアアイロンに加えて紫外線を浴びることで、ダメージが促進されると結論づけました」
将来は企業の研究職に就き、シャンプーや化粧品などの製品開発に携わることが夢だ。
京大の研究環境に興味を持ったのは高校2年のころ。京大が高校生を対象に開催する体験型学習講座に参加したことがきっかけだった。入試の面接ではそのことに触れ、「どこと比べるまでもなく京大に行きたいと思いました」とアピールした。
「高校時代にすごい賞をもらった経験があるわけではない。一番の合格理由は京大への気持ちをストレートにぶつけられたからだったと思います」
昨年限りで活動を休止したアイドルグループ・嵐のファン。大学入学共通テスト前には「サクラ咲ケ」を聴き、気分を盛り上げた。一番好きなメンバーは櫻井翔さんだ。
「忙しい中でも毎日、新聞を読んだり、キャスターとして正しい情報を得ようとしたりする姿勢を尊敬しています」
受験期は毎日午後10時半まで予備校の自習室で勉強。一方で、帰宅後は必ず嵐の出演番組をチェックすると決めていた。
「番組チェックだけは欠かしたくなくて、目標を決めて日中は必死に勉強しました」
オンとオフのメリハリも合格につながった。(本誌・松岡瑛理)
※週刊朝日 2021年3月26日号