今年4月、起業家の成田修造さんらが設立に関わった通信制高校サポート校「HR高等学院」が開校しました。ビジネスの現場で活躍する講師から「アントレプレナーシップ(起業家精神)」など実社会で役立つことが学べるのが特徴です。入学した1期71人の生徒は会社を経営していたり、クラウドファンディングプロジェクトを行ったり、進学校から転入してきたりと個性豊か。成田さんに、設立した理由についてお話を聞きました。※前編<【成田修造が「わが子に中学受験をさせるつもりはない」と語る理由は? 「良い中学に入れても、“子育ての不安”は消えない」)>から続く。
【表】学力が高い子の家庭に見られる8つの特徴とは?学歴のためではない、実社会で役立つ学びを
――そもそも、なぜ学校作りに関わろうと思ったのですか。
もともと、18、19歳ごろに将来的に学校を作りたいと思っていたんです。その時点で自分が経営者になることは決めていましたが、同時に次の世代に残せることは何だろうと思ったときに「教育」が自分の中では大きかった。今一緒にやっている山本将裕さん(株式会社RePlayce代表)が、もともと中高校生向けにキャリア教育を行うアフタースクール「はたらく部」をやっていたのは知っていて、Xで声をかけてもらったことからスタートしました。
――「通信制高校サポート校」とはどんな学校なのでしょうか。また、従来の学校教育とはどのような違いがあるのでしょうか。
HR高等学院は「通信制高校サポート校」という位置付けです。学校教育法上の「学校」ではなく、カリキュラムを提供するサポート的な役割を果たしています。生徒は通信制高校に入学して連携することで、高校卒業資格を取得することも可能です。学校のカリキュラムを私たちのような民間企業が独自で提供しているところはまだ少ないのですが、従来の学校システムとは異なり、「自由度の大きい学び方」が実現できると考えています。
一部の企業では既に入社面接で大学名を聞かなくなっていたり、大学入試でも総合型選抜(旧AO入試)で入学する生徒が半数に増えていたりします。企業や大学入試が変わっていくなかで、高校の教育も変えていかなければならない。これからの時代、ただ学校で授業を聞いて学ぶだけではなく、生徒一人ひとりが自分の学びたいことを選べることが重要になってくるはずです。まさに「自分は何者なのか」を問われるなかで、「学歴」のためではなく、できるだけ実社会に役立つ学びが得られるカリキュラムを目指しています。個人的にはN高と“神山まるごと高専”(起業家精神などを育む、徳島県にある私立高等専門学校)の“いいとこどり”だと思っています(笑)。
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