5位の愛知県長久手市は名古屋市のベッドタウン。15年の国勢調査では、平均年齢38.6歳で“全国一若いまち”に。今年6月末でも40.5歳といい、「人口は昨年6万人を突破。ずっと増えている自治体はあまりない」(市担当者)。

 新しい世帯の誕生も見逃せない。将来的に家族が増える可能性も大きい。そこで、19年度の婚姻件数から離婚件数を差し引いた数値を出し、さらに10年前(09年度)と比較した。

 上位は北海道勢が占めるなど地方が多かった。離婚が少ない事情もあるが、子育て支援が充実している点も注目したい。

 1位は北海道比布町。人口約3500人で、旭川市に隣接する“スキーといちご”の町だ。移住や定住のための支援をはじめ、最大150万円の子育て支援金制度や、高校生まで実質無料の医療費助成制度などがある。

 2位は旭川空港がある北海道東神楽町。15年の国勢調査では人口増加率10.1%と道内トップ、全国でも有数だった。「北の子ども王国・東神楽」を掲げ、子育て支援などに力を入れる。

 北海道以外の上位では、5位に福島県昭和村、6位に福島県新地町、奈良県天川村がランクインした。

 大都市圏は当然ながら婚姻件数こそ多いものの、増えた割合となると下位に沈みやすい。それでも81位の東京都墨田区、84位の東京都千代田区はそれぞれ約1.5倍に増えて“健闘”した。

 ちなみに、19年度の転出者数における転入者数の割合では、1位が愛知県飛島村で1.969。19年度の財政力指数もトップで日本一リッチな村でもあり、子育て支援などが充実する。

 2位は長野県川上村の1.9155。ベトナムなどから外国人の農業実習生を受け入れているのが背景だ。3位は大阪府島本町の1.8085。大阪市や京都市へもアクセスが良く、「もともと水がきれいで、日本名水百選の一つ」(町担当者)。4位は滋賀県多賀町の1.7515。彦根市に隣接し、近年は新興住宅街も整う。町は固定資産税を一定額助成するなど支援もしている。

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