同じくつみたてNISAに20年なら、どうか。積立総額約800万円(約40万円×20年)が、同3%でも1千万円を超し、同5%で1370万円、同7%だと1736万円にもなる。

 こうした運用結果を夫婦で実践した場合にどのくらい資産形成ができるのか。夫が50歳から始める場合と、60歳から始める場合の2通りを想定し、夫はiDeCoに65歳まで加入し、つみたてNISAは夫・妻ともに70歳まできっちり続けるとした。

 50歳からの20年間だと長期投資の効果を十二分に得ることができる。夫単独でも1600万円から2400万円になり、これに妻のつみたてNISAが加われば2700万円から4200万円までが視野に入る。60歳からの10年でも、夫婦2人だと1千万円から1300万円になる。いずれも立派な「じぶん年金」である。

「この低金利時代に、こんなに高い運用利回りが見込めるのか」とする疑問の声が聞こえてきそうだが、積み立て投資で想定されているのは、株式や債券、不動産など市場全体の値動きに連動する投資信託を買う「インデックス投資」といわれるものだ。これは「長期・分散・積み立て」に適した投資法とされ、お金の専門家で勧める人が多い。

 とはいえ、投資対象となるインデックスはさまざまだ。専門家はこぞって「株式型のインデックス投信」を薦める。先の頼藤氏が、

「積み立て投資なので、先進国や全世界の株式の値動きに連動する株式のインデックス投信1本に絞っていいと思います。リスクが怖いのなら、国内外の株や債券に分散投資しているバランス型を選べばいい」

 と言えば、楽天証券経済研究所のファンドアナリスト、篠田尚子氏も、

「地域が分散されている株式型インデックスでいいと思います。全世界や先進国を対象としたものになります」

 と頼藤氏と同じ投資対象を示す。

 その根拠は「過去」にある。ニッセイ基礎研究所の紫云研究員によると、実は、この30年間を振り返っただけでも、長期投資においては株式インデックス投資が有効な資産形成の方法であることがわかるという。

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