(週刊朝日2021年11月19日号より)
(週刊朝日2021年11月19日号より)

 さまざまな税優遇がある「税メリット」と、積み立て投資の特徴はしっかり理解してから始めたい。

 まず税メリットだが、iDeCoの三つの税優遇は有名だ。一つは掛け金が全額所得控除されること。先の長尾さんのように所得税・住民税を安くできる。普通なら運用益が発生すると約20%を税金でもっていかれるが、それも非課税。さらに、リタイア後などに年金としてもらう場合も公的年金等控除が使える。

 一方のつみたてNISAは運用益が非課税だ。

「こうした税メリットはフル活用したほうがいい。つみたてNISAは月約3.3万円、iDeCoは会社員だと最高で月2.3万円ですから、合わせると約5.6万円です。二つの制度を併用して、余裕がある人は枠を使い切ることをお勧めします」(頼藤氏)

 もう一つ、積み立て投資の特徴は、投資対象の価格が高い場合も低い場合も、毎月、同じ金額で買い付けを進めることにある。これだと高いときは少ない量、低いときは多い量を買うことになるが、毎月同じ量を買う方式と比べると平均購入価格を下げる効果があることが広く知られている(「ドルコスト平均法」という)。つまり、長期で見れば安く買えるのだ。

「だから、途中でやめるのはNGです。たとえ今後、相場が暴落しても、ドルコスト平均法のメリットを思い出して継続することが大切です」(同)

 さて、頼藤氏が言うように、二つの制度をフル活用した場合の投資シミュレーションである。iDeCoとつみたてNISAに上限額を毎月積み立てた場合、5年後~20年後(iDeCoは15年後まで)に運用結果がどうなるかを試算してみた。運用利回りは3%、5%、7%の3通りとした。

「利息が利息を呼ぶ」とされる複利効果が、運用益の非課税も手伝って、加速されている。

(週刊朝日2021年11月19日号より)
(週刊朝日2021年11月19日号より)

 iDeCoを15年間続けた場合、積立総額(2.3万円×12カ月×15年=414万円)に対して、利回り3%の場合だと522万円、同5%で614万円、同7%だと729万円にもなる。

暮らしとモノ班 for promotion
台風シーズン目前、水害・地震など天災に備えよう!仮設・簡易トイレのおすすめ14選
次のページ