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 積み立て投資が大人気だ。老後資金に不安を感じる20代、30代の若者が中心だが、専門家によると50代、60代からでも十分始められるという。国が用意した制度の「iDeCo」や「つみたてNISA」なら税メリットもある。積み立て投資を使った「じぶん年金」づくりに挑戦してみてはどうだろう。

【50歳、60歳から始めても、こんなにたまる!】

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 老後資金についての著書も多いファイナンシャルプランナーの長尾義弘さん(63)は、自身の老後資金についても万全の態勢を敷いている。

 長尾さんはブックデザイナーの妻ともども個人事業主。だから2人とも国民年金の第1号被保険者で、公的年金は老齢基礎年金が中心だ。

「老齢基礎年金は2人分でも10万円ちょっとにしかなりません。ですから、自分であれこれ準備しなければいけませんでした」

 個人事業主らの「退職金」制度ともいわれる「小規模企業共済」に、もう20年近く加入している。国民年金の第1号被保険者が上乗せ年金をつくれるようにと設けられている「国民年金基金」にも、同じく20年ほど加入している。

「老齢基礎年金が満額もらえる40年に数年足りないので、今、国民年金に任意加入しています。そのおかげで60歳以降も国民年金基金を続けられています」(長尾さん)

 そのほか、予定利率が3%台の時代の民間の個人年金も保有しているし、妻も同様に小規模企業共済と国民年金基金に加入している。

「そして夫婦ともに年金を70歳まで遅らせる『繰り下げ』をするつもりです。どうやら、そこから先、貯金を取り崩さなくても済む生活ができそうです」(同)

 長尾さんは長期間かけて幾重にもお金が生まれる仕組みをつくり上げた。理想的ともいえるが、何より特徴的なのは「公的な制度」を最大限、利用していることだろう。

 例えば小規模企業共済と国民年金基金の掛け金は、その全額を「小規模企業共済等掛金控除」「社会保険料控除」として所得から差し引くことができる。つまり、入っていれば毎年の所得税・住民税が減らせる。老後のお金を準備できる上に、今のお金も増やすことができるのだ。

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首藤由之

首藤由之

ニュース週刊誌「AERA」編集委員。特定社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー(CFP🄬)。 リタイアメント・プランニングを中心に、年金など主に人生後半期のマネー関連の記事を執筆している。 著書に『「ねんきん定期便」活用法』『「貯まる人」「殖える人」が当たり前のようにやっている16のマネー 習慣』。

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