村上宗隆(写真提供・東京ヤクルトスワローズ)
村上宗隆(写真提供・東京ヤクルトスワローズ)
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 2年連続最下位のヤクルトが鮮やかな“下剋上V”を成し遂げ、20年ぶり日本一を実現した今季。全国的に注目され、露出度が増えたことで、巨人からヤクルトに鞍替えするなど、新たな燕ファンも急増したが、並み居る個性派選手たちの中でも、ひときわ強烈なインパクトを与えているのが、若き主砲・村上宗隆だ。

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 その理由は「とても21歳とは思えないほどふてぶてしい」というもの。そんな村上らしさがフルに発揮されたのが、7月6日の阪神戦での“サイン盗み疑惑騒動”だ。

 事件が起きたのは、4点をリードされた5回の守り。2死一、二塁で、田口麗斗が打者・佐藤輝明に対し、第1球を投じようとしたとき、二塁走者の近本光司がリードを取りながら、左手を横に伸ばして膝にあてたあと、数回にわたって左方向を指す動作を見せた。

 見方によっては、捕手・古賀優大が内角高めに構えているのを、打席の佐藤輝に伝えているように見えなくもない。佐藤輝は内角攻めに苦しんでいたので、余計そう感じた人も多かったはずだ。守備中のヤクルトナインも然りである。

 直後、三塁を守っていた村上が左手のグラブで近本を指差し、審判団に「何らかの伝達行為があるのでは?」とアピールした。

 セカンド・山田哲人、ショート・吉田大成ら先輩を差し置いて、年下の村上がいち早く行動に出るところが、ある意味すごい。

 これに対し、三塁側阪神ベンチから「若僧の分際で何やねん」とばかりに罵声が浴びせられる。矢野耀大監督と井上一樹コーチも「ゴチャゴチャ言うなや」「絶対やってへんわ、ボケ!」と大声で言い返した。

 すると、村上は試合中にもかかわらず、自分の父親ほどの年齢の両人をギロリと睨みつけると、阪神ベンチに向かってノッシノッシと歩を進めていくではないか。

 あまりの大胆不敵さに「動くな、こら!」のヤジも飛び、藤本敦士三塁コーチと白井一行三塁塁審が前に立ちはだかって制止すると、ようやく村上も動きを止めた。

 この日の村上の行動は、ネット上でも大きな反響を呼び、「紛らわしい行為を指摘した村上は正しい」「21歳であの貫禄はすごい」「カッコ良すぎる」など支持する声が圧倒的だった。

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